『コリオレイナス』はイギリスの代表的な劇作家シェイクスピアの作品。17世紀初頭に制作された。民衆嫌いで知られる将軍マルティウスが執政官に選ばれ、民衆の支持を得ようとする。だがそこで問題が起こり・・・。
シェイクスピアの『コリオレイナス』(Coriolanus)のあらすじ
舞台は古代ローマである。平民た食糧不足で反乱を起こす。貴族のアグリッパは彼らをなだめる。そこに、将軍のガイウス・マルティウスがやってくる。
マルティウスは平民を蔑視する貴族であり、平民からの評判が悪い。マルティウスはご民間としてユニウス・ブルートゥスらが選ばれたと告げる。民衆は望んでいた人物が護民官になったので、喜ぶ。
この頃、ウォルスキ族がローマへの進軍を始めたという知らせが届く。ローマの元老院はマルティウスらに戦いの準備をさせる。ウォルスキ族のリーダーはマルティウスの宿敵ゥッルス・アウフィディウスである。
ローマとウォルスキ族の戦いが始まる。ローマ郡が苦戦する中で、マルティウスは勇敢に戦い、戦果をあげる。単独でコリオールの街を占領する。その結果、「コリオレイナス」という新しい姓を与えられる。
元老院はマルティウスの成果を讃えて、執政官という重職に選ぼうとする。執政官になるには、平民たちの投票で承認される必要がある。マルティウスは執政官の役職についてもよいが、平民の投票を受けることに躊躇する。だが、元老院に説得され、そのようにする。
平民は執政官の投票を行うことに同意する。貴族はマルティウスが執政官にふさわしいと演説し、彼を執政官に指名する。マルティウスはためらいながらも、平民に語りかけ、執政官に選ぶよう訴える。平民は投票でそれを承認する。
だが、上述の護民官のブルートゥスらがこれに反対する。マルティウスが平民を蔑視する人物だと平民に思いださせ、投票を撤回するよう訴える。民衆はこれに同意する。
マルティウスはこれを受けて、激怒する。民衆がいかに愚かであるかを論じる。ブルートゥスらはマルティウスに民衆の面前で公開の討論を行わせる。
マルティウスは執政官候補として、冷静にふるまおうとする。だが、ブルートゥスらの狙い通りに、彼は民衆がいかに愚かであるかというこれまでの考えを表明することになる。食料を受け取る権利に値しないとして、これを民衆に認めようとしない。
民衆は激怒する。ブルートゥスらはマルティウスが平民の敵だとし、追放刑を宣言する。マルティウスは彼らと和解できず、ローマを立ち去る。
マルティウスはローマへの復讐心に燃える。そこで、これまでの敵だったウォルスキ人の都市アンティウムに行く。これまでのライバルのアウフィディウスはマルティウスを尊敬に値すると考えていた。そのため、彼を受け入れる。
マルティウスは彼らに、ローマへの進軍を提案する。彼らは同意する。ただし、彼らはこの戦いが成功したら、ひそかにマルティウスを裏切るつもりでもある。
マルティウスらの軍は進撃し、ローマの目前までやってくる。ローマ人たちは焦り、使節を彼に派遣して、戦いをやめるよう説得する。だが、マルティウスはこれを聞き入れない。
最後の手段として、マルティウスの母や幼い息子などが派遣される。マルティウスは母に懇願されて、ついにローマ進軍をやめようと決める。
マルティウスはコリオールの町で、ウォルスキ族にたいし、戦いの中止を提案する。ウォルスキ族は裏切りだとして、激怒し、マルティウスを殺す。その後、一段落して、彼の埋葬を行う。