『エマ』はイギリスの作家ジェーン・オースティンの小説。1815年に公刊された。若く美しいエマが友人の縁談を取りまとめようとして巻き起こる物語。
ジェーン・オースティンの『エマ』(Emma)のあらすじ
主人公のエマはハイベリー村に住む裕福で美しい20歳の女性である。エマは自分が将来結婚するとは思っていない。だが、他の人達をカップルにまとめあげるのが得意な優れた仲人だと自認している。最近、近隣のカップルが結婚した際にも、それを自分の手腕のおかげだと思った。
エマはハリエットという女性と友人になる。ハリエットの結婚相手探しを手伝うことにする。ハリエットは裕福ではなかった。だが、エマはハリエットの夫にはジェントルマンがふさわしいと考える。そこで、牧師のエルトンを選ぶ。
ハリエットには、裕福な農夫ロバート・マーティンが求婚していた。エマはジェントルマンこそハリエットにふさわしいとして、ハリエットにこれを断らせる。その代わりに、エルトンを勧める。ところが、エルトン自身はエマに好意を抱いている。エルトンはエマに告白したため、エマの計画は狂う。
だが、エマはエルトンをハリエットと結びつけようとする。エマの友人ナイトリーはエマに仲人活動をやめるよう忠告する。エルトンは憤慨し、他の町に引っ越して、他の女性と結婚してしまう。
エマは失敗を恥じる。ハリエットは落胆する。エマはハリエットを結婚させたいという願望が強すぎて失敗したと思い、反省する。もう仲人はやらないと決める。
その後、美しくて若いジェーンがハイベリーに写ってくる。ジェーンは幼い頃に孤児になり、父の友人に育てられてきた。財産がないので、家庭教師になることが期待されている。ジェーンは才能豊かであるため、エマは嫉妬を抱く。
他方で、フランクという若者もハイベリーに写ってくる。フランクはロンドンの叔母と叔父に育てられ、彼らの跡継ぎとして引き取られた。父親がはベリーに住んでいるが、病気の叔母に気を使い、ハイベリーをあまり訪れてこなかった。
エマはフランクのことをよく知らないが、魅力的な青年だと思う。ナイトリーはフランクを浅薄な輩だとして酷評する。だが、エマはフランクと仲良くなる。
周囲はエマとフランクがお似合いのカップルだと思う。二人はそのぐらい関係を発展させたように思われた。ナイトリーは二人の関係をよく思っていない。エマは最終的にフランクが自分のパートナーではないと思う。ハリエットのパートナーにふさわしいと思う。
エマはハリエットがフランクを気に入るよう仕向ける。フランクはジプシーからハリエットを助け出し、二人の距離が縮まる。
ナイトリーはフランクとジェーンが密かに関係をもっているのではないかと疑い始める。これをエマに忠告する。だが、エマはフランクがハリエットとよい仲になるのを期待し、ナイトリーの忠告を笑い飛ばす。
フランクの叔母が亡くなった。これでフランクの足かせがなくなったため、事態が大きく動いていく。実は、フランクとジェーンは密かに婚約していた。フランクがエマと恋仲にあるかのように周囲に思わせていたのは、この婚約をカモフラージュするためだった。
叔母が没したので、フランクはもはや反対を受けずに、ジェーンとの結婚を叔父から承認してもらうことができた。エマはハリエットがこれに落胆すると心配していた。
だが、ハリエットが好意を寄せていたのは、ナイトリーだった。ハリエットはこれをエマに打ち明ける。エマは自分でも意外なことに、これを聞いて大いに動揺する。そう、自分自身がナイトリーに恋していたことにようやく気づく。
エマはナイトリーはハリエットと結びつくのではないかと思案する。だが、ナイトリーはエマに愛を告白する。エマは複雑ながらも喜ぶ。
ハリエットは落胆する。だが、かつて求婚してきた裕福な農夫のマーティンから再び求婚される。ハリエットはこれを承諾する。かくして、三組のカップルが結婚に至る。