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『エヌマ・エリシュ』

『エヌマ・エリシュ』は、古代メソポタミアの叙事詩である。紀元前14世紀頃につくられた。『エヌマ・エリシュ』のタイトルはその冒頭の言葉をそのままタイトルにしたもので、「高いところにいるとき」という意味である。

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『エヌマ・エリシュ』(Enuma Elish )のあらすじ

 世界はまだ陸も天空もなく、水だけがあった。女神ティアマトと神アプスーの水が混じり合い、そこからラームとラハム、アンシャルなどの新たな神々が誕生した。これらの新しい神々はさらに、天空の神アヌや神エアなどをうんだ。

 太古から存在してきたアプスーとティアマトとは異なり、これらの若い神々はエネルギーに満ちあふれていた。彼らはそのため集まっては騒ぎ、このような騒々しい騒ぎを繰り返していた。
 アプスーとティアマトは彼らの騒々しさを苦々しく思っていた。アブスーは彼らのせいで眠れないので、を殺してしまおうとティアマトに提案する。アブスーの手下もこれに賛同する。だが、ティアマトは反対する。
 上述の神エアは神々の中でも特に賢かったため、アプスーの計画に気づく。そこで、先手を打って、アプスーを呪文で深く眠らせる。その間に、アプスーを滅ぼす。
 エアはアプスーの身体に神殿をたてて、妻のダムキナと一緒にそこに住む。そして、マルドゥクを生む。このマルドゥクが成長して特に重要な神となっていく。
 マルドゥクは風を操る神となる。だが、その強力な風によって、上述の神ラームやラハムなどが眠れなくなる。そこで、これらの神は太古の女神ティアマトにたいし、アプスーのための復讐として、神エアやマルドゥクらを滅ぼすよう求める。
 ティアマトはこれに同意する。エアなどを罰するべく、ドラゴンやヘビなどを生み出し、戦いに備える。
 神エアはティアマトの動向に気づく。どうしたものかと考え、父の神アンシャールに相談する。アンシャールはティアマトと協議させるために、エアをティアマトのもとに派遣する。
 エアはティアマトに会うが、ティアマトの脅威によって敗北をすぐに認める。エア側の神々の敗北が濃厚になる中で、ついにマルドゥクが立ち上がる。
 マルドゥクはティアマトに挑むというのだ。アンシャールはこれに同意する。マルドゥクがこちらの神々の総大将になるべく、臨時の会合を開いて、彼らから承認を得る。
 これらの神々はマルドゥクに強力な武器などを与える。マルドゥクはティアマトのもとに向かい、戦いを挑む。ティアマトの強力な呪文を回避し、一騎打ちにもちこむ。戦いは激しい互角のものだった。だが、マルドゥクは得意の風を使って、ティアマトを滅ぼす。
 マルドゥクはティアマトの体を二つに切り裂いた。半分を使って天空を、残りの半分で大地をつくった。ティアマトの目から流れる水はチグリス川とユーフラテス川となった。
 この戦いにより、マルドゥクの味方の神がだけでなく、ティアマト側の神々もまた、マルドゥクを神々の王として認めた。マルドゥクは神の座として、都市バビロンを建設する。
 その後、マルドゥクは神々を崇拝させるべく人間をうみだした。ほかの生物もうみだす。人間などになにをすべきかを教え、それぞれの役目を割り当てる。すべてを完了させた後、神々は祝宴を開き、マルドゥクを称える。

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おすすめ参考文献

月本昭男『バビロニア創世叙事詩 エヌマ・エリシュ』ぷねうま舎、2022年

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この記事を書いた人

国内の大学院を修了した歴史系の独立研究者です。

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