『ウィンザーの陽気な女房たち』はイギリスの代表的劇作家シェイクスピアの作品。金目当てで二人の夫人に言い寄る男がいた。それを知り、二人の夫人が男を懲らしめようといたずらを仕掛ける。だが、夫人の夫は妻の浮気性を疑い、物語は妙な方向に展開していく・・・。
シェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』(The Merry Wives of Windsor)のあらすじ
舞台はウィンザーである。シャロー判事らがそこに到着する。スレンダーという男性はアン・ペイジへのアプローチをしている。シャローらはそれを応援する。このアンをめぐる恋がこの物語の筋の一つである。
ペイジの邸宅で、シャローはフォルスタッフと会う。シャローはフォルスタッフを嫌っている。
フォルスタッフはガータインに行く。彼は仲間に、ある計画を打ち明ける。裕福な商人のフォード夫人とペイジ夫人を口説いて、金銭を得ようというのだ.フォルスタッフは仲間たちに協力を求めるが、拒否される。
それでも、フォルスタッフはその計画のために、全く同じ手紙を二人の夫人に送る。このフォルスタッフの悪巧みがこの物語の主な筋となる。
フォード夫人とペイジ夫人が会い、フォルスタッフから全く同じ手紙を受け取ったことを知る。フォルスタッフの悪巧みを見抜く。そこで、彼を懲らしめてやろうと決める。そこで、フォルスタッフの誘惑を受け入れたと勘違いさせることにする。夫の不在のときに、フォルスタッフを家に呼ぶと決める。
その頃、上述のフォルスタッフの仲間たちはこの計画を、彼女たちの夫のフォードとペイジに知らせる。フォードは嫉妬深く、妻を信用していない。妻がフォルスタッフの誘いに乗ると思っている。そこで、それを確かめようと決める。
フォードは変装して、フォルスタッフと会う。フォルスタッフに賄賂を渡し、フォード夫人を誘惑するよう依頼する。フォルスタッフは承諾し、さっそく会う予定だと彼に教える。フォードはやはり妻が尻軽だと思い込み、怒る。
他方、上述のアン・ペイジをめぐって男たちが競い合う。スレンダーは今でもアンを追いかけている。アンの母はカイアスを花婿の候補とみなしている。アン自身はフェントンと恋に落ちているが、父親の反対にあっている。かくして、アンをめぐって、物語の最後まで三人が競い合う。
他方、フォルスタッフはフォードの不在中に、フォード邸を訪れ、フォード夫人と密会する。ペイジ夫人が遅れてやってくる。フォードが帰って来る、と告げる。
フォルスタッフはそれを聞いて、慌てる(上述のように、フォードは変装してフォルスタッフに会っていたので、フォルスタッフはフォードに依頼されたことに気づいていない)。密会がフォードにばれないよう、どうにかこの危機を脱する必要があると考える。
二人の夫人は洗濯籠に隠れるよう提案する。フォルスタッフはそれに隠れ、召使いたちに運び出される(そのまま川まで運ばれ、川に投げ込まれる)。
フォードが夫人の部屋に入ってくる。浮気を疑い、フォルスタッフを探す。だが、見つからない。
夫人たちはフォードが嫉妬深く、夫人を信用していないと見抜く。このフォードの問題に対処するためにも、もう一度、フォルスタッフを利用することに決める。
その頃、アン・ペイジはフェントンとあって、話をする。アンの両親が二人の関係に反対していることを嘆く。スレンダーらがそこにやってくる。フェントンは引き離される。スレンダーをアンと結びつける試みがなされるが、失敗する。
他方、夫人たちはフォルスタッフを再び自邸に誘う。変装したフォードはフォルスタッフに前回の結果を聞く。もう一度、フォード夫人を誘惑するよう促す。フォルスタッフは承諾する。
フォルスタッフがフォード夫人を訪ねる。再び、フォードが帰って来る。フォードは家の中を探し始める。フォルスタッフは再び危機に陥る。そこで、夫人たちはフォルスタッフに、召使の女に変装するよう提案する。フォルスタッフはそうする。
フォードが入ってくる。フォードは普段からその召使を嫌っていた。妻の浮気疑惑で気が立っていたため、フォードは召使に扮したフォルスタッフを叩きながら、部屋から追い出す。
夫人たちは再び計画が成功したのを喜ぶ。フォードとペイジに、これまでの計画を打ち明ける。フォードは自分の疑念が間違いだったと知り、妻に詫びる。また、フォルスタッフをさらに懲らしめることで、みなが一致する。
そこで、幽霊が出ると噂される森にフォルスタッフを誘う計画がたてられる。その森で、最後の大掛かりないたずらを彼に仕掛けるのだ。
他方、アン・ペイジはその計画を知る。これをチャンスだとみる。アンは相変わらず、本命のフェントンと、スレンダーとカイアスから求婚されている。アンの父ペイジはスレンダーを、母はカイアスを推している。
大掛かりないたずらは夜の森で行われる計画だ。アンの両親は、アンがそのタイミングでそれぞれの花婿候補と駆け落ちするよう促す。アンにたいして、どのような服装をして森に行くべきかをそれぞれがひそかに指示する。アンは同意したふりをする。
だが、アンは実際はフェントンと駆け落ちするつもりだ。フェントンに手紙を送り、計画を教える。
大掛かりないたずらの当日になる。フォルスタッフは森にやってくる。幽霊に変装した子どもたちやアンがフォルスタッフにいたずらをする。
フォードとペイジがやってきて、フォルスタッフは自分が騙されたことに気づく。フォルスタッフは自業自得だと思い、観念する。フォードとペイジそして二人の夫人と和解する。
他方で、アンはフェントンと駆け落ちする。スレンダーとカイアスは暗い森の中で、指示された服装の男の子たちをアンと間違えて連れ去り、駆け落ちしそうになる。
ペイジらが集まっているところに、スレンダーやカイアスが戻って来る。男の子と駆け落ちしそうになったと怒る。そこに、アンがフェントンと一緒に戻って来る。フェントンはアンの思いを無視してきた両親に苦言を呈する。
ペイジ夫妻はアンの思いを優先することに同意し、二人の結婚を認める。