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村上春樹の『ノルウェイの森』

 現代日本の代表的な作家として世界的に知られる村上春樹氏。多くの作品が30以上の外国語に翻訳されています。その中でも、代表作として知られるのが『ノルウェイの森』です。 この記事では、本書の特徴を説明してきます。なお、この記事のネタバレは最小限です。

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本書の基本的性格

 本書は主人公がドイツの空港に到着するところから始まります。たまたまビートルズの『ノルウェイの森』を耳にします。その音楽が、主人公の若き日の記憶を呼び覚まします。あの日々の思い出を。

 本書は感傷的でノスタルジックな物語です。こういったジャンルが好きな方なら、一度は読んだほうがいい一冊です。
 物語はゆったりとしたリズムで展開していきます。その心地よさは、まるでビートルズの楽曲を聞くようだとも評されます。筋書きは分かりやすいです。複雑に込み入ったものではありません。
 若い学生たちが主役ですので、青春小説でもあります。その中でも、生と死がテーマの中心に入ってきます。友人の自殺が鍵を握ります。生と死の境界線のあいまいさを意識させられます。
 日常的な情景がゆっくりと、人生の暗い部分へと静かに沈み込んでいく。秋の憂いを感じさせます。最も生々しい感情でさえ、とても穏やかに表現されています。そのような感覚の中で、生と死、友情、過去との葛藤が混じり合っていきます。

本書の特徴

世界的に評価された高い質


 本書は日本でも人気ですが、世界でも人気です。世界では、30以上の言語に翻訳されています。
 たとえば、イタリアでは、この作品は日本文学の作品の中でも最も成功したものの一つだといわれています。スペインでは、これは最も成功した作品であり、青春、初恋、そして大人への成長の痛みの感動の物語だと評されています。
 ブラジルでは、本書は村上春樹を日本の文化的アイコンへと押し上げた作品だといわれています。
 私は15国以上の海外サイトで、本書のレビューを調べました。大半は称賛や肯定的意見でした。本書に魅了されたとか、気に入ったという意見をよく目にします。もちろん、これほど有名なので否定的意見もあります。しかし、明らかに少数でした。
 翻訳がオリジナルの作品を超えることはほとんどありません。それにもかかわらず、これほどの高い評価をえてきました。わたしたちが日本語の原著を読めることは、海外の人達に羨ましがられるような幸運なことといえるでしょう。

ファンの多さ

 本書のもう一つの特徴として、ファンが多いことも挙げられます。本の感想を他の人と共有したい、話したい人に最適です。話し合うことで、作品をより一層楽しんだり、理解を深めることもできるでしょう。
 あるいは、多くのファンが読書感想をブログなどで公開しています。ですので、他者の解釈を簡単に知ることができます。他の人と感想を話し合うのが億劫であっても、他者の意見を簡単に見つけることができるわけです。
 さらに、上述のように、海外のファンも多いです。これが本書の利点でもあります。本書は国際交流でも役立てることができるのです。
 相手が日本好きなら、読んだことあるかもしれません。もしなかったとしても、相手の言語に翻訳されているなら(その可能性は高いです)、これをおすすめできます。外国人と仲良くなるきっかけとして利用できます。

 一点だけ注意です。本書には、セクシャルなシーンが少なからずでてきます。性的描写が苦手な方にはおすすめできません。また、自殺というデリケートな問題が苦手な方にもおすすめできません。
 これらに該当しないなら、以上の理由により、おすすめの一冊です。

 ちなみに、本書はアマゾンのオーディブルで聞くこともできます。オーディオ・ブックになっています。俳優の妻夫木聡さんが本書を読み上げています。それを聞くというサービスがオーディブルです。本を読むのでなく聞くのです。

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