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ショーペンハウアーの『幸福について』

 たいていの人は、人間関係に悩み、苦しむことがあるでしょう。他人の言動に振り回されてしまったり、そのせいで苦しみ続けたり。そういったとき、「自分の人生はこのままでいいんだろうか?」と漠然と自問することもあるでしょう。
 しかし、他人に振り回されて、自分の人生や幸せが台無しになってしまうのは、避けたいと思いませんか?そういった方には、ショーペンハウアーの『幸福について』を試しに読むようおすすめします。決して、あなたを怪しげなセミナーや占いなどに誘導するつもりはありません。そのようなお金と時間の無駄には導きません。
 この記事では、『幸福について』を紹介します。いわゆるネタバレは必要最低限にしています。

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ショーペンハウアーの『幸福について』とはなにか

 本書を紹介する前に、まず著者を簡単に紹介しましょう。

著者はどんな人?

 ショーペンハウアーは19世紀のドイツで活躍した哲学者です。
 ショーペンハウアーの思想は厭世主義やペシミスト(悲観主義)と評されています。ニーチェなどの哲学者に大きな影響を与えたことで知られています。
 常識的な考えにたいするショーペンハウアーの警句は、示唆に富むものとして世界的に認知されてきました。『幸福について』もその一つといえます。
 

本書はどのような本か

 本書について紹介しましょう。
 本書は人生の知恵について、とくに幸福にかんして、ショーペンハウアーの思索の結果を示したものです。
 本書は一部の哲学者向けに書かれたというより、より多くの人々に向けて書かれています。ショーペンハウアーは飾ることなく、わかりやすい文章で書いています。ユーモアもみられ、読んでいて心地よく、笑ってしまうところもあります。
 とはいえ、本書は一流の哲学者が真剣に書いたものです。素性のわからない人が行っている怪しげなセミナーなどとは根本的に別物です。本書はヨーロッパやインドの古代哲学などを反映した、独自の深い思索をみせてくれます。
 本書は、世の中にたいする、とくに「幸せとはなにか、どこに見出せばよいか」にかんする、ショーペンハウアーの独創的な考えを示しています。かりに斜め読みしたとしても、チクリと刺さる箇所もあれば、「良薬は口に苦い」といえる箇所もあります。
 しかし、もしあなたがあなた自身の現状の人間関係に由来する問題を改善したい、あるいは解決したいと思うのであれば、ショーペンハウアーに心を開いてみましょう。世の中とあなた自身にかんして、あなたがこれまで抱いてきた固定観念を疑う覚悟で、本書を読んでみましょう。
 ショーペンハウアーの思索は悲観的です。皮肉的で、物事を普通とは別の角度で捉えています。よって、その言葉をすべてそのまま受け入れるのは難しいと感じることもあるでしょう。もちろん、ショーペンハウアーは時代も場所も異なる人です。よって、そのすべてをそのまま鵜呑みにする必要はありません。
 それでも大事なのは、一度、ショーペンハウアーの言うことに賛同してみて、上述の固定観念を疑ってみることです。そのうえで、あなた自身の中で、どのような答えがでてくるか。
 本書のエッセンスを吸収できれば、多くの人は、それまでと違った目で世の中を、そして自分自身を見ることができるようになるでしょう。本書によって、心の危機を乗り切った人もいます。
 もっとも、ショーペンハウアーは上述のように悲観的です。人生をバラ色で描くということはしません。物事を甘く見させるような助言もしません。よって、エッセンスを吸収した後も、あなたは人生をバラ色だとは思わないでしょう。それでも、本書から力強い考えを得られると思います。

「幸福は簡単なものではない。 幸福を自分の中に見出すことは難しく、他の場所に見出すことは不可能である」。

 600円程度で本書ほどの示唆に富む内容が読めるのは、かなりお手頃だと思います。世の中の怪しげなセミナーや占いなどにお金をかけるより、まずは本書を良き相談相手に選ぶことをおすすめします。
 あなたの親族や友人がそういったものにハマっているなら、本書をおすすめしたほうがよいでしょう。

 人間関係に悩んでいて、他人の言動に振り回されやすい人。そのせいで苦しみ続けたり、自分の人生が台無しになるのが嫌な人。特に、そういった方は、試しに本書を読んでみましょう。

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