ガイウス・コルネリウス・タキトゥスは古代ローマの歴史家で政治家(56ー120年頃)。リウィウスやサルスティウスとともに、古代ローマの代表的な歴史家の一人として知られる。主著には『ゲルマニア』やローマ帝国に関する『歴史』 などがある。また、政治的キャリアでも、執政官や総督としても活躍した。
タキトゥスの生涯:出自
タキトゥスはイタリア北部かガリア南部で貴族の家に生まれた。幼い頃にローマに移り、そこで学んだ。
政治家としての躍進
68年、皇帝ネロが自殺した。ウェスパシアヌスがローマ皇帝に即位した。そのもとで、タキトゥスは軍人としてまず身を立てた。81年には元老院議員に選出された。そこで彼の出世は止まらなかった。97年には執政官に選ばれた。さらに、112−113年には、属州アシアの総督に任命された。また、雄弁家としても名を馳せた。このように、タキトゥスは実践の人でもあった。
タキトゥスの著述活動:『ゲルマニア』や『年代記』など
政治的キャリアで成功するかたわら、タキトゥスは著述も始めた。98年には、代表作として知られる『ゲルマニア』を公刊した。当時のゲルマン人の習俗を論じた書である。今日、貴重な歴史的史料として認知されている。
同時に、本書ではゲルマン人の習俗にかんする記述が脚色されている点も指摘されている。そこには、タキトゥスの批判的意図があった。当時、ローマ人は自らを文明人とみなした。さらに、よそから到来したゲルマン人を野蛮人とみなし、卑下していた。だが、タキトゥスはゲルマン人が質実剛健で優れた面をもつと指摘した。ゲルマン人の習俗を鑑として、当時のローマの習俗を批判しようとした。質実剛健で独立不羈のゲルマン人というイメージは後世にまで広く残ることになる。
タキトゥスの肖像画

ほかに、『同時代史』を公刊した。これは皇帝ネロの終わりから五賢帝時代の始まりまでを扱った。だが、大部分が散逸してしまった。
ほかの主著として、『年代記』を公刊した。これは第二代皇帝のティベリウス帝からネロ帝までを扱った。様々な一次史料と当時の歴史書に依拠したもので、貴重な史料となった。
タキトゥスの主な著作・作品
『ゲルマニア』
『同時代史』
『年代記』
おすすめ参考文献
タキトゥス『ゲルマーニア』泉井久之助訳、岩波書店、1979









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