『地底旅行』はフランスの作家ジュール・ヴェルヌの代表的な小説。1864年に公刊された。大人気を博した。戦後に何度も映画化されている。また、テーマパークのアトラクションなどにもなっている。なお、『地球の中心への旅』と訳されることもある。この記事では、あらすじを紹介する 。
『地底旅行』(Voyage au centre de la terre)のあらすじ
この物語の主人公はドイツ人の地質学者オットーとその甥のアクセルである。二人はドイツのハンブルクで暮らしている。アクセルにはグラウベンという恋人がいる。
オットーは古代アイスランド語の本を呼んでいた。古代文字を解読しようと試みていた。彼はこの本をアクセルに見せたところ、アクセルはその解読に成功する。それは、16世紀のアイスランドの錬金術師が地球の中心まで旅した記録だった。
オットーは地質学者として、地球の中心がどうなっているかを自分の目で確かめ、自分の考理論が正しいかを確認したいと思う。だが、地球の中心が通説通りなら、その中心への旅は命の危険を伴う。
そのため、アクセルはその中心への旅には乗り気ではない。それでも、グラウベンの助言に後押しされ、オットーとアクセルは地球の中心への旅に出発する。
二人は上述の記録を頼りにして、地底への入口があると思われるアイスランドに移動する。そこでハンスという人物をガイドに雇う。入口と思われる火山へ移動する。アイスランドの景色に感嘆しながら、火山に到着する。彼らは火口に降りると、煙突を見つける。ついに、地底への入口を見つけたのである。
彼らはロープで煙突を下っていく。トンネルの中に入り、分かれ道に到達する。オットーは左の道を選び、一行は歩き続ける。だが、その道は行き止まりだった。一行は分かれ道に戻ろうとする。その道中、持参していた水がもはやなくなってしまう。彼らはどうにか分かれ道にたどりつく。
アクセルはすでに喉の乾きと疲れがでており、地上に戻りたいと訴える。だが、オットーは別の道を進むと決心している。仕方なく、アクセルはハンスとともに、オットーに同行する。だがまもなく、アクセルは脱水症状などで倒れてしまう。
ハンスは近くに水脈があると考え、一人で水脈を探す。それらしき壁をツルハシで突き破る。すると、火山だったので、沸騰したお湯が飛び出してくる。彼らはお湯が冷めてから、ようやく水を飲むことができる。
三人はそのまま地底を目指して移動を続ける。だが、アクセルはオットーたちとはぐれてしまう。アクセルはオットーたちを探すが、転んでしまい、ランタンを壊してしまう。真っ暗闇の道をさまよい歩く。
すると、遠くでオットーお声が聞こえるところまで、どうにかやってくる。アクセルはオットーたちと合流すべく、声のする方向へ進む。だが、その途中で壁が崩れ、体制を崩して頭をうち、気を失う。オットーたちに助けられ、ようやく三人は合流する。
オットーたちは巨大な地下空間にたどりつく。そこには海があり、雲が浮かんでいる。オットーはこの海の先に地底への道がある考え、海を渡ろうと決心する。ハンスが木材を集めて、イカダをつくる。
三人はイカダで海をわたり始める。その途中で、先史時代の巨大な恐竜が戦っているのを目撃する。イカダは嵐に翻弄されてしまい、数日間漂流する。そのまま出発地点の岸辺に戻ってきてしまう。
イカダが嵐で壊れてしまったので、ハンスがこれを修理する。その間、オットーとアクセルは近くを探検する。そこでは、様々な化石を見つける。その中には、人骨もある。オットーたちはこの地下空間に人間の痕跡を見つけたのである。
二人はさらに森を探検する。すると、マンモスやマストドンを見つける。さらに、巨人がそれらを追っているのを目撃する。二人は驚いてその場から逃げ去る。
二人はハンスのもとに戻る途中で、思いがけないものを発見する。上述の16世紀の錬金術師のイニシャルである。そのイニシャルの書かれたトンネルを入ろうとするが、岩がその入口を塞いでいる。
そこで、オットーはこの岩を爆破する。入口が開く。海の水がそのトンネルへと流れ込んでいく。オットーらはイカダに乗っており、イカダは海水によってトンネルの奥へと運ばれていく。
イカダは下降し続ける。落ちていく間に、彼らは食糧を落としてしまう。危機的な状況で、イカダは漂い続ける。だが、イカダの下降が止まる。
オットーたちのイカダは火山の噴出によって、上方へと運ばれていく。どんどん押し上げられ、ついにイタリアの島に排出される。地上にでてきたのだ。地底の旅はこうして終わる。
ハンスはアイスランドに戻る。オットーとアクセルはドイツに戻る。オットーは地質学者として名声をえて、アクセルはグラウベンと結婚を認められる。
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