無料でビジネス・教育・研究などで利用可能な貴重な画像をダウンロードできる、信頼性の高い日本国内の美術館などのウェブサイト 20選【2024年版】
世界中の美術館や大学などが名画などの所蔵史料の画像を、パブリック・ドメインやクリエイティブ・コモンズとして無料で公開しています。その中でも、無料で商用利用可能な画像を公開している日本国内の美術館などのウェブサイトを紹介します。
海外のウェブサイトと比較した場合、日本のウェブサイトの利点は主に2つあります。第一に、日本語で制作されている点です。よって、外国語が読めない方も、国内のサイトなら不自由なく利用できるでしょう。第二に、日本関連の画像が多いことです。海外ウェブサイトでしか入手できない日本関連の画像もあります。しかし、これからみていくように、国内サイトのほうが、貴重な画像を入手できる可能性は高いです。
実際に画像を利用する際には、それぞれの利用規約をご確認ください。 実際に画像を利用する際には、それぞれの利用条件をご確認ください。一般的に、パブリック・ドメインとクリエイティブ・コモンズの画像が商用利用可能なものです。
ただし、クリエイティブ・コモンズの「NC」に指定されているものは商用利用不可です。非商用利用なら可能です。
以下のリストは今後もまだまだ追加・更新していきます。
東京都立図書館
これは東京都立図書館のデジタルアーカイブです。江戸・東京関係の資料の画像を中心に、10種類以上の貴重な画像が大量に公開されています。
その内訳は次のとおりです。江戸城造営関係資料が約1,000点。浮世絵が約13,400枚。すごろくが約780点。江戸の絵図が約270点。番付(ランキング)が約1,400点。和漢書が約4,430点。
江戸から明治の築図面が約27,000点。書簡資料が約4,700点。江戸から明治の巻物などが約3,700点。絵葉書・写真帖が約2,700枚。近代の地図が約230点。東京府・東京市の関係資料が約3,000点。江戸・東京の災害記録が約960点。東京都の行政資料が約140点。
※「画像の使用条件」が「パブリックドメイン」と記載されているものは、商用利用もできます。
●検索ページ
http://archive.library.metro.tokyo.jp/da/top
かつての江戸城
●利用規約のページ
http://archive.library.metro.tokyo.jp/da/windowRequestImage
1890年頃の東京に建造されたエレベーターつきの高層建築物
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愛知県美術館
愛知県美術館の所蔵作品の一部が利用できます。大半は日本人の芸術家の作品ですが、外国人の作品も多く掲載されています。特に、国内外の20世紀美術の所蔵品が多いです。
※「パブリックドメイン」か「CC0」と記載されているものは、商用利用もできます。
●検索および利用規約のページ
http://jmapps.ne.jp/apmoa/
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文化財デジタルコンテンツ
文化庁が日本各地の世界遺産、日本遺産、国宝や重要文化財などの画像・映像・音声のデータを公開しています。日本観光の促進という目的にそうならば、クリエイティブ・コモンズの【表示4.0 国際】の利用条件で利用できます。
当該ウェブサイトに従えば、「すなわち,利用者は,コンテンツの複製,放送,有線放送,ネット送信,公衆への上映,受信装置を用いた公衆への伝達及び頒布を本規約の定めるところにより自由に行うことができます。コンテンツを改変し,翻案して利用することも可能です。そしてそれらの利用は,営利・商用目的で行うことも可能です」。
所収されている画像や映像の例をあげましょう。世界遺産としては、原爆ドームや石見銀山、長崎の教会、白川郷の合掌造り、和歌山の那智大社、奈良の東大寺、姫路城などがあります。
城郭としては、彦根城など、日本全国の様々な城が含まれます。神社仏閣としては、福岡の太宰府天満宮や鎌倉の建長寺など、全国の様々な神社仏閣が含まれます。ほかにも、四季折々の景色や、それらに関連するストーリーなどが用意されています。日本の観光や文化の紹介などに重宝するでしょう。
https://cb.bunka.go.jp
世界文化遺産の奈良の唐招提寺
利用規約のページ
https://cb.bunka.go.jp/ja/pages/terms-of-use
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宮城県図書館
宮城県図書館が所蔵する貴重書や和古書などの古典籍類を公開しています。仙台伊達藩の伊達文庫などの所蔵書が公開されています。
クリエイティブ・コモンズのCC-BY-NDの条件で画像が利用できます。
すなわち、画像を利用する場合には、適切なクレジット を表示し、それへのリンクを提供する必要があります。画像に改変を加えることはできません。
以上を守れば、商用でも非商用でも利用できます。
●検索および利用規約のページ
https://www.library.pref.miyagi.jp/eichi/eichi-cataloglib.html
京都大学
京都大学が公開している貴重な資料の画像データベースです。国宝『今昔物語集(鈴鹿本)』や重要文化財83点など、2万5千以上のタイトルで、200万点以上の画像を公開しています。日本有数のデータベースです。
明治維新関連や、古地図、絵葉書、幕末から第二次世界大戦までの新聞の挿絵など、実に多彩なコレクションが公開されています。経済学や医学など、それぞれの専門の資料のコレクションも含まれています。
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp
利用規約ページ
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/reuse
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国立国会図書館
日本国内の商用利用可能なデジタル・アーカイブとしては最も有名といえるくらいのウェブサイトです。古典籍や地図などの画像が公開されています。古典籍には多くの貴重な絵図や風景画、肖像画などの画像も含まれています。たとえば、有名な史跡の古い時代の画像などを探し出すこともできるでしょう。
パブリック・ドメインの画像(インターネット公開(保護期間満了)となっているもの)などが該当します。
https://dl.ndl.go.jp
ただし、電子展覧会など、適用ルールが異なる例外もあります。利用規約ページでご確認ください。電子展覧会のNDLイメージバンク所蔵の画像は国内向けにも海外向けにも適したものが多いといえるでしょう。
NDLイメージバンク
https://ndlsearch.ndl.go.jp/imagebank
利用規約ページ
https://ndl.go.jp/jp/sitepolicy/terms.html
江戸時代の犬好きな人の犬柄の服
明治時代前半の歌舞伎の中村座
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九州大学
九州大学が所蔵する貴重な古典籍の画像データベースです。パブリック・ドメインの画像が利用できます。
https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_browse/rare/?lang=0
利用規約ページ
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/reuse
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国立公文書館
古典籍や絵図などの画像が提供されています。国立の公文書館ということもあり、重要文化財の公文書や絵図などの画像も提供されているところが強みです。
https://www.digital.archives.go.jp
画像の利用条件はそれぞれのページに書かれているようです。ただし、利用規約のページによれば、任意に利用してよいとも書かれていますので、特別なルールはないのかもしれませんが。
利用規約ページ
https://www.digital.archives.go.jp/support/use.html
明治天皇の即位式の一場面
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大阪市立図書館
主に大阪に関する古文書や絵葉書、写真、地図などの画像を公開しています。有名な観光地などの写真も多く公開されています。
http://image.oml.city.osaka.lg.jp/archive/
利用規約ページ
http://image.oml.city.osaka.lg.jp/archive/
大正時代のあたりの道頓堀
明治時代の初期に誕生した大阪駅
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群馬県立図書館
群馬県の歴史や文化に関する文献、『富岡製糸場と絹産業遺産群』などの養蚕・製糸業に関する資料、絵図や古地図、写真や絵はがきなどの画像を提供しています。パブリック・ドメインが対象です。
トップページ
https://www.library.pref.gunma.jp/%E6%8E%A2%E3%81%99%E3%83%BB%E8%AA%BF%E3%81%B9%E3%82%8B/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC
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埼玉県立図書館
埼玉の名所関連の絵図や書籍などの画像が公開されています。渋沢栄一に関する特設ページもあります。
https://www.lib.pref.saigo-takamorima.jp/collection/saigo-takamorima/digi-lib/index.html
利用規約ページ
https://www.lib.pref.saigo-takamorima.jp/collection/saigo-takamorima/digi-lib/terms.html
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岐阜県図書館
戦国時代から明治時代あたりまでの岐阜県関係の画像資料が公開されています。なぜか19−20世紀のフランスのファッション雑誌の画像もあります。
パブリック・ドメインの画像が該当します。
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/find-books/digital-collection
利用規約ページ
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/find-books/digital-collection/about-digital-collection/index.html
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福井県立図書館
主に福井県に関する約69万点の画像データを公開しています。古文書や公文書、新聞、県報、戦後の写真や絵葉書、古典籍、福井県関連の文学者の資料などの画像です。
パブリック・ドメインとクリエイティブ・コモンズ( CC-BY)の画像が対象です。
https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/archive
利用規約ページ
https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/archive/guidance.html
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石川県立図書館
主に石川県に関する貴重な画像が公開されています。江戸後期の山や平野そして海での暮らし、能登半島の風景や地図などの画像があります。
パブリック・ドメインの画像が該当します。各画像のページで、利用条件を確認できます。
https://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/shosho/digicolle
江戸時代の木綿生産の様子
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山形県立図書館
主に山形の風景のスケッチや写真、絵図、所蔵本の画像が提供されています。
https://www.lib.pref.yamagata.jp/%E3%82%84%E3%81%BE%E3%81%8C%E3%81%9F%E3%81%AE%E6%83%85%E5%A0%B1/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC
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山口県立図書館 WEB版明治維新資料室
幕末の尊王攘夷運動や明治維新の中心人物の多くは山口県の長州藩から輩出されました。sのため、この電子アーカイブでは、幕末や明治の山口県にかんする貴重な画像を公開しています。
公開されているのは、大村益次郎による翻訳の兵術書『活版兵家須知戦闘術門』などや、下関戦争を描いた幕末の瓦版、中世山口の守護大名の大内氏に関わる文化財、吉田松陰関係の資料、明治維新や山口の絵図です。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/about_yamaguchi/meiji_ishin/web-meiji
利用規約ページ
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/web-ishin-instruction
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沖縄県立図書館
沖縄に関する古地図、軸物、絵図、古文書などの画像が公開されています。沖縄の歴史や文化を伝えるのに適したものがいろいろあります。
クリエイティブ・コモンズの画像が該当します。
https://www.library.pref.okinawa.jp/archive/index.html
利用規約ページ
https://www.library.pref.okinawa.jp/archive/guide/guide.html
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国文学研究資料館
日本の文学に関する貴重な資料の約2万6千点の画像が公開されています。パブリックドメインの画像が対称です。
検索ページ
https://kokusho.nijl.ac.jp
このページを利用する際の注意点です。この検索ページを利用すると、国文学研究所以外が公開している画像データも検索でヒットします。しかし、それらの画像は利用条件が異なります。商用利用不可のものも含まれています。
●国立文学研究所の画像データだけを検索する方法
国立文学研究所の画像データはパブリックドメインとなっていますので、それだけを検索対象にする方法を示しましょう。3ステップで可能です。
1,書誌検索ページにいきます
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio?ln=ja
2,【種別】の項目で、「国文研蔵」にチェックを入れます。
3,【画像】の項目で、「あり」にチェックをいれ、検索を押します
そうすれば、国立文学研究所の画像データだけが検索でヒットします。このページの他の項目(キーワードや著者名など)を組み合わせることで、目当ての画像を探せます。
ちなみに、国立文学研究所の画像データの利用条件はながらくCC-BY-SAでしたが、2024年6月にパブリックドメインになりました。
利用規約ページ
https://kokusho.nijl.ac.jp/page/%E5%88%A9%E7%94%A8%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E5%A4%89%E6%9B%B4%E5%91%A8%E7%9F%A5%E6%96%87_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E.pdf
藤原鎌足
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佐賀県立図書館
佐賀県立図書館の所蔵品の画像を公開しています。古書や古地図、近代の地図、絵葉書、絵画などの画像です。ちなみに、佐賀の民謡を聴くこともできます。
検索ページ
https://www.sagalibdb.jp/
パブリックドメイン、あるいは、クリエイティブ・コモンズのCC-BYの画像は商用利用可能です。
利用規約のページ
https://www.sagalibdb.jp/info
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とっとりデジタルコレクション
主に鳥取県にかんする画像が公開されています。博物館や美術館なども画像を提供していますが、注意が必要です。各画像の「二次利用条件」でパブリック・ドメインなどの表示があるものだけが、商用利用も可能です。ざっと見た感じでは、鳥取県立図書館所蔵の画像は利用可能なものが多いようです。
https://digital-collection.pref.tottori.lg.jp
利用規約ページ
https://digital-collection.pref.tottori.lg.jp/about-site.html
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以上、国内のデジタル・アーカイブを紹介してきました。海外のデジタル・アーカイブについては、次の記事で紹介しています。海外の美術館などであっても、日本関連の作品の画像を公開しているケースはよくあります。